邦楽囃子
邦楽囃子とは
四百年程前から歌舞伎に取り入れられ、発展し引き継がれている伝統芸能のひとつです。 歌舞伎囃子や長唄囃子などと呼はれてきましたが、様々なジャンルと演奏されることから、一九七〇年頃から「邦楽囃子」と呼はれています。 能楽から踏襲された笛や小鼓、太鼓などの四拍子を中心に、その他にも様々な楽器を扱いお芝居や踊り、 曲を盛り上げる「縁の下の力持ち」的な存在です。
歌舞伎はその時代の流行っているものを色々取り入れてますので、音楽も様々なジャンルの音楽を取り入れオリジナルの音楽にしています。
四拍子しびょうし
笛・小鼓・大鼓・太鼓
歌舞伎の先行芸能である能楽囃子から踏襲した楽器。歌舞伎音楽では能管以外に篠笛も用いる。主に出囃子で演奏されるが、蔭囃子にも重要な役割を持つ
蔭囃子かげばやし
皮製楽器(大太鼓、大拍子、桶胴、楽太鼓など)
金属製楽器(当鉦、オルゴール、松虫、チャッパ、銅羅など)
木製楽器(木魚、木しょう、拍子木など)
革製、金物系、木製でそれぞれ20種類ぐらいずつ、あとは鳥や虫などの笛類で70種類ぐらいはあると思います。
お客様には姿を見せず、舞台の下手で演奏するので下座音楽(げざおんがく)、御簾の中で演奏するので黒御簾音楽(くろみすおんがく)などと呼ばれる
〝蔭囃子〞とはどの様なものでしょうか。観客には姿を見せず、 舞台下手にある黒御簾内で大体四人以上で舞台を見計らいながら 演奏します。 特長は、演奏的な側面だけでなく、季節や情景・心情などを表 現したり「効果音」としても重要な役割を持っています。ほぼ全ての音(手組み、フレーズ)に決まりがあります。緞帳の開閉に も大体お囃子の音が入っていますが、幕に合わせて伸縮自在に囃しています。 中でも大太鼓は最も重要な役割を持ち、雨や風、波など、さらに音の無いはずの〝雪〞にも音をつけ自然現象を描写したり、役者の登場や心情まで表現します。お囃子のフレーズを知ることで、 舞台の情景描写が、視覚情報だけでなく音でも想起され、より深く舞台や演奏を楽しむことができるかと思います。あらゆる面を音楽化している先人の音作りの感性は素晴らしいです。
代表的な拍子の分類
【トッタン拍子】
能楽手法(基本的に八拍が一まとまりで手組みに名前がつき、重厚な雰囲気)
【チリカラ拍子】
歌舞伎手法(三味線音楽に合わせ、伸縮自在で軽快な雰囲気)
【祭礼囃子など】
お祭りや雅楽、民謡などのエッセンスを取り入れた独自の手法
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